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嘆記
毒破棄場
鶴の恩返しについて
私はこの昔話が子どものころから好きなんだが 今になっていろいろと考えてしまう

女は男のために化粧をする 女は美しくあれ、美しくないと勃たない、美しくなければ女ではない!という男の要望に答え、愛されるために

そして素顔を見せれば男は「だまされた!」というのだ

もう愛せないと

この残酷さについて


母親は赤ん坊を産んでこう言う「アタシがお腹を痛めて産んだのよ!!」

人はこうして尊厳を奪われることでこの世に誕生させられる これが我々の受難に満ちた人生のはじまりとなる

母親はまたこうも言う「アンタが生まれたいっていうからアタシが代わりに産んであげたのよ!!」

この二重のスポイルによって子どもを縛りコントロールする 子どもを親の操り人形にする

そして子どもは親に「恩」を返さなければならないとされてしまう

生んでもらった恩 育ててもらった恩 生かしてもらった恩

そこに子どもの尊厳は無い


罠にかかった鶴を助けた男にそんなつもりはなかった 純粋な善意で助けたのだろう

でも鶴は恩返しをしなければ気がすまなかった

そこで美しい娘の姿に変身して男の元をたずね「決して開けるな」といって部屋にこもり自分の羽毛を使って機を織る

男は開けてしまう 正体を知られた鶴は去っていく


「命を助けられた」恩を返すには、自分の身を削るよりほかなかった 鶴にできることはそれしかなかった

しかしその自己犠牲を知ったら心優しい男が傷つくことはわかっていた また鶴にとってもつらい自己犠牲だった だから去るしかなかったのかもしれない

また、女は鶴であることを知られたのではない 「人間」であることを知られてしまったのではないかと思う

美しく愛される中身はがらんどうで自我を持たない男にとって都合の良い客体としての「白痴の女」ではなく、男と同じように「心」というものを持ったただの人間であることを

それで男女の恋愛は終わるのだ


仏教説話の 飢えて死にそうな聖者の命を助けるため自ら火に飛び込み食料となったうさぎの話 その自己犠牲と善行を無邪気に讃える話が私は嫌いだ 仏教というもののいやらしさがふんだんに詰め込まれた話だと思う

だからそのアンチテーゼのようでもある悲しい鶴の恩返しが好きなのだろう 


異種婚姻憚は世界中で類型の見られる話らしいので(日本の民話だけでもたくさん似たような話がある) ちゃんとそういう民俗学?みたいな研究をしてる人に言わせれば全く違うんだろうが

そういう本読んでみたいな 図書館にあるだろうか(バイクこわしたので遠い)

そういや鳥の羽毛ってあんがい抜けてもまた生えてくるんだよな・・・ 自分の羽毛で機を織るのはそんなに悲惨な自己犠牲じゃなかったのかも・・・?でも羽毛がなくなったら飛べなくなるんだよなあ 飛べなくなったら逆に男といっしょにいられるわけか

盗んだバイクで走り出す的な 自由への逃亡かもしれない
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