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嘆記
毒破棄場
ありったけのやさしさのかぎりを
優しさって、減るんです。

ある男が1日に使える優しさが10個あるとするでしょ。若くて元気なうちは寝れば全快する。で、そのうち6個を、働いて妻を養う、というその事実に対して支払っているとするでしょ。あと残り4個しかない優しさのうち、3つを仕事のために使って、1つを自分のために使うとするじゃん。

そうするともう、妻のため子どものために使う分はないわけ。家事手伝えって。家族サービスしろって。もうお前たちのために毎日6個も支払ってるのに?

こうして、妻が風邪をひいて寝込んでいるときに、「オレのめしは?」と言う夫が誕生する。「体調管理がなってない」とさえ言うかもね?だって自分がいつも会社できつく言われてる。体調を崩すのは体調管理がなってない証拠。迷惑かけるな。って。なのに俺の妻ときたら、体調管理を怠って風邪なんかひきやがって。俺に甘えきって迷惑かけてばかりで、ずるいじゃないか?そんな夫が妻にいたわりの言葉をかけようとするならば、どこかからかやさしさを借りてくるか、盗ってこなければならない。

妻「いやその理屈はおかしい。私は家事も子育てもしてるんだから、あなたに養われている分の6個は毎日完済している。私の優しさ残り4つのうち、1つをあなたにお茶を入れたり脱ぎ散らかした靴下を片付けたりコートを脱がせてあげたりすることに使っているんだから、もっと私を思いやってくれたっていいんじゃないの?私はそれから残り3つをやりくりして、子どもや近所づきあいや舅姑やママ友のことまでやってるの。こんなのもう無理だよ。自分のために使う分がひとつもないなんて。借金してやさしさをよそから借りてこないと暮らしていけないの。」

夫「オレにだって自分の分は必要だ。お前たちを養うために6個も犠牲にしてやってるのに!お前の家事や子育てなんて好きでやってるんだから、6個完済は言いすぎだ。せいぜい3つだろう。残りの3つをやりくりすれば、他のことだって完璧にできるはずだ。お前もパートに出ろよ。そうすれば、オレがお前らを養う6つのうち1つぐらいは浮いて、家族サービスのためにつかえるかもな。」

妻「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

妻の借金が破綻したとき、とうとう限界を迎え離婚を切り出す妻。あるいはうつ病など病を発症する妻。

夫「わかったわかった。オレが悪かった。オレもよそからやさしさを借金してやりくりしよう。それでいいだろ。なっ。」

そして職場やママ友のいじめのターゲットにされるやさしさの貸し手は、必ず借金を踏み倒されるのだ。あるいは無関係の他人のやさしさを少しずつ借りてなんとかするのかもしれない。弱い立場にいる子どもから借りるのかもしれない。

親「お前を養うためにあたしはやさしさを毎日6個も使ってる。お父さんと合わせて12個よ?だからお前もあたしたちに毎日12個のやさしさを返すのが人としての礼儀よ。あなたが悪い子じゃなければ、できるはずよね?礼儀をわきまえない子はお母さん嫌いよ。あなたが礼儀をわきまえないとお母さん我慢の限界が来てどっか行っちゃうかもしれないね?」

「あーあ。あんたが借金を踏み倒すような悪い子だってわかってたら産まなかったのに。だまされた。産まなきゃよかったかなあ。失敗した。」

「あーあ。あたしって子育てに失敗したのかな?ウチの子ってへんなこばっかなんだもん!でもあんたが不良になったりするよりマシよねってお母さん思うようにしてるの。」(私が言われた実話です。あーあ、こんなこといってるとまた、母に「根に持つ性格!嫌な子!」って非難されちゃうよ。)

子どものやさしさの借金が限界に達したとき、いろんなことが起こる。病気になる者。不登校になる者。ひきこもる者。不良になる者。落ちこぼれる者。最も損をするのは、自分のやさしさの上限値を返済に充ててしまう子どもだ。やさしくない人として、一生他者から嫌われる人生となる。わ た し で す

やさしさの上限値ひとつにつき、通常のやさしさ100個分の負債を返済できる。付け焼刃の最もおろかな、最終的には自分も周りも困窮するだけの、最悪の選択肢。それでも全然返せないので、残りは親の老後の世話で返済しなければならなくなる。無意味な犠牲。やさしさの上限値。

いたみを知るものは人にやさしくなれるという。あれはうそなんです。返済に上限値をつかってしまうと、もう、ひとにやさしくできないんです。二度と。失った上限値は、回復不可能なんです。

それで、発達障害とか。パーソナリティ障害とか。アスペとか、広汎性なんちゃら~~~とかなんちゃらスペクトラム~~~~とかいわれて、こじらせとか、めんどくさいとか、地雷とか、イタイとか、いい年して恥ずかしくないのととか、いろいろいわれて、もう、やさしさが、なくなって、また、上限値での返済をしてしまうと、もう、最終的には、ゼロになって、人間ではなくなってしまう。



このように、人間関係ゲームはいかにやさしさのやりくりをするかにかかっているのです。私のように、1日3つしかないやさしさのうち3つ全てを自分につかってしまうような愚か者は、すぐにゲーム・オーバーなのです。

みなさん何か質問はありますか?それでは今日の授業をおしまいにします。次週は応用編。愛のやりくりについてです 起立!礼!ありがとうございました!着席!

せんせいさようなら。みなさんさようなら。
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